ついに国民投票・・どうなる英国!EU離脱までの流れをまとめてみた
本日15時、英国で国民投票(レファレンダム)が開始されました。EU残留か離脱かを決めるやつですね!
「Brexit」なるか?
「Brexit」(England[英国]+Exit[出口]という造語)
経済・金融関係のみならず、世界に大きな影響を与えるとみられている英国のEU離脱問題。なぜ英国はEUを離脱する(したい)のか、おおまかな流れをまとめます。
もともとEUに乗り気でなかった英国
もともとEUの狙いとして、世界大戦の再来、つまりヨーロッパの国同士で戦争をしないようにという思惑がありました。戦国時代の日本をイメージするとわかりやすいでしょうか。貨幣や単位を統一し、互いに争いの種を減らすようにしていけば、自然と戦争は起こらなくなるというわけです。
しかしイギリスの環境のせいなのか島国根性か、どうしてもEUになじみたくない空気を漂わせます。シェンゲン協定(ヨーロッパ間の国境撤廃)に加盟しなかったり、共通通貨ユーロを導入せず、独自のポンドを貫いてきたところからも感じられるとおりです。EUの存在意義は認めつつも、一定の距離を保っていたいという思惑が伝わってきます。
これはなんとなくなイメージですが、もしアジア連合なるもの(東南アジアから中国、韓国などを統一する)が発足されたとすれば、日本も同じことをするのではないかと思えて妙に納得できる部分ではあります。
不満が募る
EU離脱のもっとも大きな理由として、移民問題があります。戦後から大規模な移民受け入れを行ってきたイギリスでも、1958年には大規模な人種暴動が起き、人種関係法や入国制限などで移民政策が確立されてきました。
その後も入国規制の強化や移民の権利に関する取り組みが進められてきましたが、2005年の同時多発テロや2015年パリのテロなどを受け、自由すぎる国境間の移動に対する不安が大きく膨らんできたのです。
また、パナマ文書で発覚したタックスヘイブン問題に英国のキャメロン首相が絡んでいたことも一因にあるようです。「違法ではない」という主張があるにしても、政治家としての道義的責任問題は避けられません。これがEU離脱にどう絡んでくるのかといえば、キャメロン首相が残留派における切り札的存在であったということです。首相の支持率低下が離脱の後押しをしてしまった形です。
残留派が強まる事件
国民投票が迫りEU離脱が濃厚になっている6月16日、残留派のジョー・コックス下院議員が離脱派によって射殺されるという事件が起こりました。これを受け、優勢だった離脱派が弱まり、離脱か残留かが拮抗する状況で今に至ります。
どう転んでも・・・
離脱した場合が一番の大変動を引き起こすのはもちろん、そうでなくとも、今後の英国の在り方に大きな影響を与えるであろうことは目に見えています。英国内はもちろん、EUとの間にも大きな亀裂が入ったのは間違いありません。このような傷は、どれだけ年を重ねても残るものです。
もしEUに残るとすれば、そこに新しいあり方を確立させようとするでしょう。
きっぱりと離脱し英国として完全に「独立」してしまうか、EUの一部として取り込まれるか・・・不謹慎かもしれませんが、歴史が作られる場面を見ているようで楽しみではあります。
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